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Figure skating : 宇野昌磨選手を勝手に応援談 ~ 最後の”Dancing on My Own” ~

『世界フィギュアスケート国別対抗戦2021』男子フリーの宇野昌磨選手の演技については、深夜の頭では言葉がうまく見つからないけれど、短くても当日のうちに書いておきたい。

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【震えた】
なんなんだろう。
持っていかれた今回の”Dancing on My Own”。

男子シングルフリーのLive配信に臨む私は、新しい靴で無理をして足を痛めないか(もしくは既に痛めていないだろうか)という心配が尽きなかったが、選手が氷上に出てきたら不安は振り切っ後押しするのみで、バナータオルを振りながら拍手して、演技スタート地点に向かう画面上の宇野選手へ呟く言葉は、「Go~!」「いけ~!」「いける!」「Fight!」という完全なるスポーツモードだった。

「Go~!」と共に挑んだ3A+4Tは「いける!」と思ったものの4Tが転倒で、それでも「大丈夫!いけ~!」で跳んだ4Fはしっかりと降りて拍手に力が入る。

本当に4Fは大事な時に共に戦ってくれるな。

その後のジャンプもひとつずつ「次いこう!」「おっけ~」「良い良い」というコメント付きで、スポーツ応援団そのものだったのだが、ジャンプを終えてステップシークエンスに移ってから、緊張とはまた違うドキドキが画面から迫ってきた。

心身が震える。両目が熱くなる。

いつもは壊れそうなものを両手で捧げるかのような"to say goodbye~♪"で、左手が身を引くが、それを拒んでもう一度触れようとするかのような右手に涙が溢れ出た。そして今度は左手が天に伸びるクリムキンイーグルでまた涙。

スケーター自身は何も迫ってこないのに、がっちりと掴まれてしまうのはどうしてなのだろう。

【表現力】
宇野選手はジュニアの頃から表現力豊かなスケーターと言われていた。小さな頃から憧れは高橋大輔選手で、ジュニアやシニアに上がりたての頃は、高橋選手の「あの表現」「表現力」を身に着けたいと語っていたように思うが、私は宇野選手にとっての「表現力」って何なんだろうな??と考えることがある。

拍子に乗り、音を奏でて、音楽世界を表現する。そこには他の誰にもできない豊かな表現を感じるが、がっちりと掴まれる時はそんなものじゃない。生身に宿る魂が剝き出しで現れるかのようで、表現力という言葉では表せない

やはり現れるものなのか。しかも突如現れる。一般的にはダメだったねと言われかねない演技でいきなり心が持っていかれる。

最近の宇野選手は「表現力」よりも「自分のスケート」という言い方が増えているように思う。彼自身も探していて見つけたいもの。

見つかるように、現れるように、ずっと願っている。

【結果】
今回の国別対抗戦の宇野選手の結果は数字としては良くなかったよね。競うスポーツなのだからスコアや順位等の結果が大事という見方も正しいと思う。

私はスポーツを観る/応援するのが好きだが、その対象はほとんどはプロスポーツ。だからこそ勝ち負けや順位も重要視するし、時には厳しい見方や言い方をする時もあるが、私にとってはフィギュアスケートはやはりちょっと違う。アマチュアであることも大きいし、距離や時間等のように明確に数値化できない要素が多いことも大きい。

本来は優劣がつけ難い要素を数値化して順位が決まる競技に、真摯に挑み続ける選手たちは大変だが素敵だ。私が好きなフィギュアスケート選手はアスリートの精神と姿勢を持つ人ばかり。宇野選手の前は真央ちゃんだった。彼女の3Aに挑み続ける姿はアスリートそのもので大好きだったが、3Aを始めとするジャンプが好きだったわけではない。真央ちゃんのスケートの美しさ、滑らかさ、スピード、躍動感は、ジャンプの転倒で数字が大幅に差し引かれたとしても、魅力や素晴らしさは決して差し引かれなかった。

スコアや順位という結果に表れないものは多い。

【ゆっくりお休み】
深夜になってしまったので、今日のところはフリー演技を終えての宇野選手のコメントは引用しないが、私はあなたが出場するからこそ観たんだよ、心が震えたんだよ、そして、疲れてるんだよ…と声をかけたくなった。

1月の半ばから家を離れて、約2ヶ月の間シャンペリーで練習を続けて、しっかりと練習を積んできたという手応えを持ってストックホルムに渡ったが、隔離とバブル方式の大会で調子を落とし、それでもフリーでは美しい”Dancing on My Own”を滑り切って、予想以上にステファンに喜んでもらったことに幸せを感じ、シーズンを締めくくろうと思ったら、(経緯が分からないものの)国別対抗戦に出場することになり、帰国して3日間の待機期間が終わっても家には帰れず、14日間の隔離生活下で国別を新シーズンのスタートとして挑戦の大会にしようと決心したら、世界選手権に合わせていたスケート靴がダメになって、調子の悪さは馴染んでいない新しい靴の影響が大きいと分かっていても、団体戦の一員として戦おうという身には、足元の不安が気持ちの不安に繋がっていっただろうと思う。

大人になると疲れると弱気にもなる。弱いわけではない。家に帰ってエマちゃん達の歓迎を受けて、嫌いじゃないものを食べて、つかの間であってもゆっくりと休んで。


by yuuyuu970 | 2021-04-17 02:51 | フィギュアスケート | Comments(4)

Commented by ぴか at 2021-04-17 08:40 x
スコアや順位という結果に表れないものは多いと思います 本当に。ここに至るまでの、表にでてこない選手のいろいろな状況も。「世界選手権でシーズン終わった」って言ってましたもんね。
現れますよねー 宇野昌磨選手の演技 競技への向き合い方に。宇野昌磨選手のひたむきさ、一生懸命さを応援したくなります。
yuuyuuさんが宇野昌磨選手を応援されていることが、とてもうれしいです。
Commented by yui at 2021-04-19 01:35 x
こんにちは。
今シーズンの最終戦終わりましたね。大阪での感染状況見て開催できるのか心配してましたが、無事に行われてよかったです。

Nonvoiceで靴の状況聞いていたので最悪の状況を覚悟したうえでSP見て"あ~やっぱりかなり悪いのだな…と思いつつ。フリーも最悪の場面を想像してましたが、ジャンプの失敗はありつつも、最後まで流れのあるとてもきれいな、あきらめない演技だったと思います。
オリンピックで銀メダル取ったことでみんなの期待が大きいこともあり、常に結果を残さないといろいろ言われてしまうし、下からの追い上げもあって毎回大変だなと思うんですが、
今はステファンのところでさらなる成長の途中だと思ってます。ほんとに素人目線ですがジャンプもきれいになってると思うし、スケーティングと身体の動きはほんとうになめらかで、やはり何回も見たくなる演技です。靴もなんとかいい方法が見つかって、安心して試合に向かっていけるように祈ってます。

それにしても昌磨くんファンの温かいこと。もちろん厳しい意見もあるけど、やっぱりずっと応援していくと。それを見ると昌磨くんはほんとに幸せ者だなと感じます。

すぐにアイスショーも始まるので国別のことはすぐ話題にならなくなると思うので(^^;、またしっかりショーで滑って練習して、来シーズンに向かっていってほしいですね。
(でも今回の国別は羽生選手と昌磨くんの組み合わせで、私はよかったと思ってます。二人のこと考えてみても。たぶんこれがこの2人では最後になりそうだし)
またまた長々とすみません…。
Commented by yuuyuu970 at 2021-04-19 23:12
>ぴかさん
コメントいただきありがとうございます!

点数化が難しい競技なので、若い選手は特に向き合い方が難しいと思いますが、そこで真摯に挑戦を続けてくれているのだから応援せずにはおられませんよね。

健康であれば未来は広がっていると思うので、休む時にはゆっくりと休んで、しっかりと練習して、来シーズンを楽しんでほしいです。、
Commented by yuuyuu970 at 2021-04-19 23:27
>yuiさん
コメントいただきありがとうございます!

国別が無事に開催&運営されて良かったですよね。皆が家に帰って元気で過ごすことができて成功なので、まだまだ気を付けてほしいですけど。

昌磨ファンには、あ~靴ぅ~がありましたけど…というか、それが一番やきもきしましたよね。何とかならないんですかねぇ…。でも、不安がある中で気持ちをぐっと掴まれる演技でした。

ジャンプが一番目立つので「成長」もそこで評価されがちですけど、随所で良くなってますよね☆ ジャンプも良い時には着氷から流れがあってとってもきれい。

オフシーズンも忙しそうですけど、オフを楽しんで、安全と健康に留意して、来シーズンに向かっていってほしいですね。
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